AIMP v3.10 Beta 3
音がいいAIMP3が、ついにVersion.3.10のベータリリースを始めている。
AIMP2までは、オーディオコンバーターであるとか、録音機能などがバンドルされていたが、AIMP3では、その性質上から、コンバータ機能であるとか、録音機能などが、省略されて、なにげに便利かも知れなかった録音機能が使えないので、音質的にこだわりが無ければ、AIMP2あたりを使っているユーザーも少なからず居たのではなかろうか。AIMP3.10移行での主だった変更として、AudioConverter機能が復活し、主要な形式へのConvertが可能になった。サポートされているエンコーダーは、APE,FLAC,OGG Vorbis,WAVE,WavPack,WMAとなっており、MP3については、都合上バンドルされないが、Lame3.99.5をダウンロードしてきて、AIMP3.10がインストールされているフォルダーの中の”Modules”というフォルダーへ、lame.exeとlame_enc.dllを配置することによって、MP3への変換についても使うことができるようになっている。
標準で添付されるスキンは、AIMP3と同様となっており、使用感に戸惑うことは無いと思うが、追加されたMusicConverterへのアクセスは、曲名を右クリックして、AudioConverterへ転送すれば、コンバーター画面を表示させることができる。
コンバータそのものは、AIMP2時代とさほど変わっていないが、最新のコンバーターのパラメータを反映することができるような設計になっており、MP3へのコンバートも3.99.5の機能がセレクトできるようになっている。
インターフェースとしては、悪くないと思う。
だだ、常用しているAudioConverterを使っているユーザーなどには、むしろ必要な機能であるかは、意見が別れるところではないだろうか。
無いよりは、あったほうが良いのだが、オールインワンなプレーヤーとして過去に紹介した、MusicBeeとの音質的な住み分けを果たしているAIMP3への付加機能として、一度は削除されたコンバータ機能をAIMP2時代に戻って、再度バンドルされた形になるので、音質を目当てに、AIMP3を、選択してきたユーザーにとっては、多分使わない機能かも知れない。
筆者のようなユーザーは、おそらく使わないだろう。
だだ、他のミュージックプレーヤーの機能比較として、音質は良いが、音楽形式の変更が出来ないといったことになるので、そのようなユーザーにとっては、ある意味、不可欠な機能とも言えなくもない。
日本語化については、最初から日本語が使えるが、相変わらずヘルプ画面は、英語のままである。
インストール時に日本語が選べない不具合は、現在はFIXされた。
問題は、音質なのだが、Version3.10 Beta 3以降からは、BASSエンジンを、v2.4.9へアップデートするなどの変更など、積極的な変更を果たしている。
ここで、AIMP3.0 Build 985が実質的な、AIMP3.0のFinalバージョンになるのだが、このBuild 985の出来栄えが思いの外良かったので、今もって、Version3.10 Beta系へ移行すべきか、しばらくは、様子をみながら、音質との相談で見守って行きたいと考えるに留まっている。
リサンプラーそのもののバージョンアップはされており、Beta3あたりからは、AIMP3 Build 985と遜色はなくなって、かねてよりの懸案だった、再生モード指定周辺が若干変化してきているように感じるが、劇的な変化は今のところ無い。おそらくは、今後、ここらへんにエンハンストメント機能が施されるのではないだろうか。
実質、Build 985でも既に、この改良は織り込まれていたようにも感じる。そのためか、CPU負荷がかなり高くなっていて、非力なマシンでは、動作が厳しいところがある。
今更ながら、このAIMP3でロスレス音源を再生してみるとよく分かると思うが、そこそこなコーデックで例えば、MP3でいうところの、Insense Preset(CBR 320kbps,16bit)のような、実質的なカットオフ周波数が、20kHz以上に持ってこれるようなフォーマットと比較しても、ロスレスサンプリングとの違いが明確にわかる音声再生機能は、捨てがたいものがある。
従来は、グラフィックイコライザーを多用したり、リサンプリング設定を変更したりといった実質ネイティブではない音質調整を行いつつ使用していたに過ぎなかったPCオーディオも、現在のところ、ここまで来たかと思う程、そのような操作をしなくとも、充分に良質な音質になっているので、あとは、良いヘッドフォンや良いスピーカーを使ったり、PCに接続されている音源を変更するなどして、自分にベストな音質へ調整する他なく、ヘッドフォンの周波数特性が悪いから、その部分をグライコで調整しようかと思うような方向性では、十分な音質が得られなくなってきているので、そういった意味で、よりシビアなところが、このようなプレーヤーに求められる時代に入ったと考えて良いのではなかろうか。
現在進行しているAIMP v3.10系では、そういった要求に対しても充分応えられる存在になってほしいものと、願っている。現在は、Betaバージョンなので、最終的にどの程度まで音質が向上してくるかは皆目検討がつかないが、少なくとも、AIMP3 Build 985あたりの音質までにはなって、更に新しいステージに入っていってほしいものと、期待してみたいと思う。
AIMP3の実質的な味付けは、内蔵されるリサンプラーそのものの性能にに左右されるところがあるが、実の所、このような機能も多少は気になっており、ユーザーが任意でリサンプラーを通さないで再生することが出来るような仕組み作りもリファレンスとしてあっても良い機能ではないかと思うこと。ここらへんのインターフェースは、もう少し自由度を持たせても良いのではないかと考えるが、いかがだろう。