AIMP v3.00 Build 981

AIMP3が追加でマイナーチェンジを行った。
今回のアップデートは、以下の通り。
表面的には、小さなアップデートを複数実施しているような表現になっているが、実のところ、メインエンジンの完成度を高めたいといった希望があるように思う。

AIMP v3.00 Build 981 (16.02.2012)

* Localizations were updated
* Playlist: Algorithm of CUE sheets catching for the audio files has been improved – support of files with double extensions has been added- Fixed: Buffer for DMO effects is not cleared after playback stopping
– Fixed: Information about the duration of the files is read incorrectly from the playlist in PLS format
– Fixed: Autoname for equalizer preset generates incorrectly for the virtual files
– Fixed: “Default” button in DSP Manager resets all of its settings to their default values only on the second pressing
– Fixed: Number of the track in the playback queue cuts off in playlist in some cases
– Fixed: Folder and Files aren’t sorted by thier names on adding them from Windows Explorer
– Fixed: Data from CUE sheets aren’t caught up for files in .DTS
– Fixed: Applications hangs on attempt to play file without audio data, but with tags
– Fixed: Player doesn’t allow to add files in AIFF format to playlist
– Fixed: Small scratches can be heard on quiet tracks when equalizer is switched on
– Fixed: Plugins – Online Radio Browser: Error occurres on attempt to switch to “IceCast” tab, if one of the record doesn’t contain information about the bitrate
– Fixed: Plugins – Some visualizations from AIMP2 don’t work on AIMP3
– Fixed: Plugins – Lastfm Client Helper crashes on attempt to show plugin settings, if Lastfm Client doesn’t installed
– Fixed: Plugins – List loses focus after changing state of plugin

今回のアップデートでも、前回までに指摘してきたDSPは、正しく動作しておらず、リサンプリングエンジンとエフェクトエンジンとの何らかの不整合があるのでないかと思われる。
音質的に見ても、前回のBuid 976と比べると、音響的に、少し派手目な印象を受ける。
少し前になるが、サウンドエンジンを明確に変えてきたRC2バージョンからの一貫した音質向上といった路線からは、少し外れた改良をしている模様で、標準で添付されるグラフィックイコライザーのプリセットは、いずれも、効きすぎてしまい、使い物にならない。
筆者の環境では、オーディオセットの音響特性に合わせて、グライコを使い分けているのだが、今回のアップデートでは、また最初から、微調整をしなくてはならなくなってしまった。
メインエンジン周辺のこういった動きは、安定性から考えると、必ずしも望ましいことではないと思うが、現在のところ、グライコを使わなくても、そこそこの音に仕上がってきており、歓迎する部分がある。
ただし、部分的なエンハンスドな音域解釈が少し異なって来ており、ロスレス音源を再生する場合と圧縮音源を再生する場合には、明らかな音質変化が認められた。より、誤魔化しのない音作りになっていると解釈すべきなのか、迷うところなのだが、ロスレスな音源を聴く限りに於いては、明らかな音質向上が認められるといった感じである。
トータル的にみて、付録的な機能は、必要無いので、AIMPの良い部分を更に高めて行って欲しい。
実験的な範囲で、今回のバージョンアップは評価できるが、トータル的なバランスを考えると、もう一歩様子を見たいとそんな感じのリリースとなった。
それでも、現在のところ、他と比べて充分、音質は良いので、その感覚を失わないように、次のバージョンでは、微調整を図ってほしい。と、一応、期待してみることにする。

AIMP3 メジャーリリース

AIMP 3.00 Build 976 メジャーリリース

音がいいAIMP3がついにメジャーリリースを行った。
今回のリリースでは、表面上、Small Bug Fixが中心になっているが、実のところ、音質のチューニングは継続しているようで、前々より指摘してきた周波数範囲を主に、今回のバージョンでは、高音増強部分のレベルを少し下げている様だ。音の印象は、更に向上した。
2011年の締めくくりと、2012年のNewYearバージョンといったところだろうか。
こんなに早くリリースするとは思っていなかったが、こうなると、前回のクリスマスバージョンは、サービスバージョンだったのだろうか。何か底力を感じる動きだ。
ちょっとしたミスだろうか、今回のバージョンでは、再生メニュー上にある”MOD”からサラウンドが選べるのだが、この機能が、全く効かなくなっている。
まあ、筆者の場合、使わない機能だから、問題ないが、同時にPlaybackMode:FT2,PT1もどうやら機能していないようなので、それは、少し問題がある。(リサンプリングメソッドを選べない。)
また、今回のバージョンから、Replay Gainへのフル対応を行なっている。これに関しては、リプレイゲインのノーマル値を選べないので、すべての楽曲にリプレイゲインを適用しているユーザーには関係ないが、一般的にCD音源では、ゲインを大きめにとったものが多いので、ノーマルゲインレベルが変えられると、なお良いように思う。

RC3で、ほぼ完璧なチューニングを行なっているので、今回のバージョンは、それを十分継承しつつ、微調整を行った格好で、大きな驚きはなかったが、筆者が考える音質の方向性と合致しているので、ひとまず安心して使えるメジャーリリースとなったようで、大変満足である。

内部的には、44.1kHz/32Bit(Float)/Stereoデコーダエンジンを使用しそれを元に、48k/24BitなどへのOutputが可能なリサンプリングを行なっているので、Foobar2000で言うところの、16Bit-Floating-point Formatの実験的実装の動きとよく似ていて、こういった部分の改良が、高音質につながっているのではなかろうか。
入力が、96kHz/32Bit/Stereoならば、96kHz/32bit(Float)/Stereoで処理しているので、ある程度のCPUパワーは必要になってくると思われるが、比較的軽いソフトなので、MusicBeeのように非力なマシンでは再生ができないということもなく、再生に特化した快適なサンドプレーヤーである。

基本は良いので、今回のバージョンであるAIMP 3.00 Build 976の先に述べたようなバグフィックスを期待しておきたいと思う。