AIMP3 RC3 リリース

AIMP3 RC3 Build 970がリリースされた

今回のバージョンアップは、正真正銘のクリスマスバージョンとなった。
クリスマスバージョンは、往々にして、ジョークのようなバージョンが多いのだが、今回のバージョンでは、音質改良をしっかりしている模様。さすがとしか、言いようがない。

前回のRC2では、少し荒削りの感があった音質は、ほぼ、ベストにチューニングされての登場である。
今回は、RC2で少しノイジーでスパイキーだった12000Hz~19000Hz周辺の音質をより自然に近づけて、耳につきやすい中域部~最高域部にわたって、微調整を行なっている。
FFT的には、ほんの少しの改良なので、今回は割愛したが、基本的な方向性は変えないで、より、艶やかな音質になってきている。スピード感に関してもあまり影響を与えず、良いところを残した格好の快適な改良となったようだ。
また、機会があったら、紹介したいと思うが、MusicBeeの方向性とは、明らかに異なってきている。主には、先述の高音増強部分の捉え方の違いであり、もうひとつは、音の派手さ加減であり、ジャズボーカルやアコースティックな音が特に顕著になってくる。
もう、細かいことは必要なく、AIMP2を良い意味で継承した高音質なサウンドプレーヤーになったようだ。
次に改良してくる音は、どうなっているのだろうか。興味深いところだ。新たな驚きがあるのだろうか。

今回は、志向を変えて、筆者の評価画面をショットしてみた。
画面では、WebSpectraを表示しながら、音を聴いたり見たりしているところなのだが、この他には、SoundEngineやAudacityなどが、登場することになる。
最終的には、イコライザーをOFFにして、長時間聴き続けた結果のトータル的な印象をリラックスしながら聴く、そして、数日したら、また同じ事をしてみる。と、そんな感じで音をみている。
また、今回は、質問の多かった、ライブラリー画面も同時に表示させてみた。ライブラリー画面の呼び出し方は、画面左上のアイコンから、一番右のアイコンをたたくと、「オーディオライブラリー Ctrl+M」というのを選ぶと出てくる。通常は、Ctrl+Mで簡単に呼び出せる。ライブラリ画面上からは、楽曲の含まれるアルバムグループの一曲を選択して、右クリックから、「AIMP3で再生」を選ぶと、AIMP3のタブグループにアルバム全体が表示されて、再生が始まる。ライブラリ機能も、最近充実してきているので、筆者の環境では、ほとんどバグは出なくなった。
ライブラリーの作成はいろいろな選択肢があるので、それぞれを試してみるとよいと思うが、概ね、他のサウンドプレーヤーの場合と同様に、自動更新などにも対応しているので、使い勝手は悪くない。ただ、ライブラリー画面上から、楽曲をそもままダブルクリックすると、ライブラリー画面でのプレビュー再生となるので、いちいちAIMP3から再生を選ばなくてはならいないところが、少し不便ではある。
通常は、ライブラリーから持ってきた、タブグループから、再生すれば、ほとんどの用は足りてしまうので、そのように使っている。
サウンドプレーヤーのスキンは、各種入手できるので、興味があれば、入手してみると良い。AIMP2と表示されるものもあるので、そこは、好みの問題だが、スキンの自作もできるので、なかなかなものである。

また、MP3などの拡張子と関連付けしておくと、AIMP3のDefaultというタブグループ上で再生が始まる。起動時間は、比較的短く、MusicBeeや、iTunes,WinAmpなどと比べると快適に動作する。

また、TrueAudioでは、更に威力を発揮するのだが、基本を崩さず、ある程度の色付けがされた良い音になる。
ここは、やはり、音源にもよるので、良い音源であればあるほど、その違いに応えてくれる良いプレーヤーである。

AIMP3 RC2 リリース

AIMP3 RC2がリリースされた

良い音のAIMP3が、本格リリースの準備を実施しているようだ。
RCバージョンの改良で、心臓部でもある新たなサウンド・エンジンを実装するようなことは、通常はあまり考えられないのだが、何らかの動きがあるようで、AIMP3に実装されているResamplerの改良を織り込んだ格好になった。Foobar2000 1.1.10-Finalとは1日違いだから、開発そのものは別に動いているはずで、改良結果を見て、それぞれが模倣したものではないとは思うのだが、結果的にFoobar2000 1.1.10-Finalの音質変化は、実のところ、AIMP3 RC2の動きとよく似た方向性となった。
前回に引き続き、今回もFFT解析の結果の比較となるが、以下に、各々の波形を比較してみたので、参照していただきたい。
グラフ上、AIMP3 RC1とAIMP3 RC2の最高域部のリサンプリングや16000Hz~18000Hz周辺のリサンプル波形は、明らかな違いが見られた。
一方、Foobar2000 1.1.10-Finalには、見られない18000Hz~22000前後の高音増強部の音圧レベルを下げているのがわかると思う。今回の改良で、FFT解析上の変化は、両者は、前段の16000Hz~18000Hz周辺では、全く同一となった。
以下のスペクトルは、その周辺を拡大したもの。
※音源は、前回と同じである。

AIMP3 RC1までのスペクトル(空色)は、MusicBee(紫色)とよく似ているが、新しい実装でのスペクトルは、Foobar2000 1.1.10-Final(緑)とAIMP3 RC2(赤)は、ほぼ、完全に近い一致が見られた。
前回にも、記載したが、この部分の色つけは、楽器のディテールや、音場における空気感に関与すると考えられている部分である。また、それ以上の最高域部分は、音場のリアリティー(臨場感)に大きな影響を与え、ディジタル収録ならではの音を織り込むことが出来る部分である。しかし、各々の周波数が持つ倍音成分をそのまま単純にディジタル的に増強してしまうと、フランジが発生するため、簡単には行かないがこの成分だ。
したがって、16000Hz~18000Hzの周波数成分のリサンプリングアルゴリズムを変えるというのは、並大抵ではないが、今回、AIMP3 RC2では、この部分を積極的に変化させた格好になった。

これだけのことをした、AIMP3 RC2がどこまでの良さを残しつつ改良されたかといったところが、興味のある所だと思うが、筆者の聴感上RC1の音を残しつつ、耳障りな音を上手く軽減して、自然な音としているような印象である。
音の調整は、いまのところ、荒削りではあるものの、確実に音質が上がって来ている。
なるほど、Foobar2000 1.1.10-Finalの音質に対する疑問が少し消えたような気がしている。
Foobar20001.1.10-Finalには残念な結果となったが、やはり、いまのところ、AIMP3が更に音質を上げてしまったといったところだろうか。(逆に言えば、Foobar2000も音質的に、ある程度の市民権を得た。)一方、取り残されたのは、MusicBeeと言えそうなのだが、MusicBeeにも良いところはあるので、普段使いには、多機能で良いプレーヤーではある。

この月に入って、各所の急激なな音質変化は、微妙に不思議である。
AIMP3 RC2に関しては、ある程度の限界を打破した良いリリースになったのではなかろうか。
(程良くスピード感のある音に仕上がっている。少し、硬質な印象が今のところ有りそうだが。)
Finalリリースでは、ベストなチューニングをしてくると考えられるので、今後の動きには目が離せない存在である。

これで、大所のクリスマスバージョンは、大体揃ったことになるのだろうか。