Foobar2000 メジャーバージョンリリース

Foobar2000 最新版(Foobar2000 1.1.9)メジャーバージョン

前回のリリース(9月)から、2ヶ月ほどか、Foobar2000が再び1.1.9系のメジャーリリースを行った。
今回のリリースでは、これまで、WAVファイルのTAG情報、正確に言うと非公式のTAGなのだが、Sound Player Lilithを皮切りに、AIMP3,MusicBeeなどでも、WAVファイルのTAG情報の表示ができるようになっていたのだが、メジャーどころで有名なFoobar2000では、これまでサポートされていなかった。
何が嬉しいかは別として、このような事情から、Foobar2000でも、対応を行わざるを得ない状況になったのではなかろうか。
リリースノートでは、いつも通り、控えめな?というか、内部をあまり公開したがらない秘密主義の為、音質的な改良や、内部エンジンの改良をどのように実施してるのかが、良くわからない。

【 リリースノート抜粋 】

1.1.9

  • Added WAV file format tagging support.
  • Implemented experimental support for 16-bit floating-point WAV files.
  • Fixed ID3v2 handling bugs from 1.1.8.

基本的には、WAV周りの改良と、ID3v2のバグフィックスが中心となっている。


WAV TAG対応に関しては、手持ちのttaファイルから、WAV変換を行なってみたところ、WAVファイルへTAG情報が反映されている。
CDコレクターの中には、losslessなファイルは、WAV以外は認めないといったユーザーも少なくなく、こうしたWAVファイルの得体のしれないTAGがつくことを極力嫌う傾向にあるのも事実的に存在するが、MultiTrackで変換を行った場合は、旧来通り、cue + WAVといった形で出力されるので、さほど、大きな問題ではなさそうだ。

一方、CDリッピングをWAVベースで実施して、1曲毎に分離して保存したいようなユーザーにとっては、何故「Foobar2000」では、TAGが表示されないのだろうと、素朴な疑問を持たれる場合も少なくなかった。
上記のスクリーンショットは、先の変換した1曲単位で分離されたWAVファイルを再生している画面なのだが、PCM再生であるにもかかわらず、アーティスト名や曲名などが、表示されている。
もちろん、インターナル・アートワークには、さすがに対応出来ないので、アルバムフォルダー毎に、folder.jpgなどで補う必要はあるが、これまでは、ファイル名でしか区別出来なかった情報が表示されるので、1曲毎のWAVファイルを管理する場合などには重宝するだろう。

しかし、WAVファイルを保存しているようなユーザーは、違いなく、Cue + WAV派が大多数を占めるだろうから、WAVファイルでTAGが利用できても、さほど大きな歓びではない。むしろ、Losslessフォーマットで、幾分なりとも圧縮できたほうが嬉しい。
筆者の場合は、前者と後者の組み合わせで、hogehoge.cue + hogehoge.wav + hogehoge.jpgといったセットで使う場合が多い。ただ、問題なのは、cueシートとWAVファイルを別々に認識してデータベースを作ってしまうような場合は、cueシートとWAVファイルは、別々のディレクトリに置き、cueシートが参照するWAVファイルの格納先を相対指定しておき、WAVファイルそのもが、検索対象に入らないような使い方をしている。
まあ、このような使い方も、特殊な部類に属すので、音楽鑑賞用には、別途、Losslessファイルを作りなおして運用せざるを得ない。それでも、オリジナルな、WAVを残しておく価値は大きいので、そうしている。
このようなことを考えると、WAV自体にTAG情報を持たせておく価値は、あまり無いように思うが、無いよりまし?かもしれない。正直に、1曲単位のWAVは、大変扱いにくい存在なので、SoundEnginなどのWAVでしか扱えないようなソフトウェアで、マスタリングするような場合以外は、ほとんど使わない。

一方、WAVファイルというのは、実は、内部が、規定のPCM記述でなくとも使えるようなコンテナーなのだが、今回サポートされた、16bit Floating-point WAV File対応というのは、実は、価値があるのでは無いかと思っている。
これまでは、他のWAVE変換ソフトへの受け渡しをしようと思うと、AudaCityのようなソフトで一回読み込んで、FreeFormatで吐き出さないと、Floating-point WAV Formatの取り扱いは、困難であったが、今回からは、ダイレクトでこのようなことができるようになったと理解できる。(まあ、音源があるかどうかは、べつとして。。)また、これまでは、CDリッピングを他のソフトを使って、TrueAudioなどに変換してFoobar2000で聴いたほうが、聴感上、WAVの再生時よりも、よく聴こえてしまうといったマジックも、これで少しは緩和されるのだろうか。

表面上、今回のバージョンアップでは、他に言及すべき特筆点が無いが、今後の展開上で重要となる内部エンジンの組み込みなど、ちょうど節目となる、1.1.10betaシリーズ?に向けた準備は、進んでいるに違いないと勝手な想像を巡らせているのだが、果たしてどうか。

前回にも書いたが、Foobar2000で作ったマルチトラックなファイルが、AIMP3やMusicBeeでも再生できるような融通性が出てきているので、AIMP3やMusicBeeにできて、Foobar2000に出来なかったWAVファイルTAGへの対応は一応のところ、更に融通性が高まったとも考えられなくもない。
ただ、WAVファイルTAG情報の編集は、MusicBeeなどで編集せず、Foobar2000で実施しておかないと、Foobar2000で認識しないことも少なからずあるようで、ここは、規格外といった弱みでもある。
WAV-TAGに関しては、そのようなことを承知の上で、使わないとならない。

音質としてはどうか?
これに関しては、使い込んでみた上で、特筆すべき点があれば、いずれ言及したいと思っている。

Foobar2000 メジャーバージョンリリース

Foobar2000 最新版(Foobar2000 1.1.8)メジャーバージョン

Foobarがようやく1.1.8系のメジャーリリースを行った。
今回のリリースでは、主に、他の楽曲ファイルとのTAG互換性を高めた格好になっているようだ。
その他、MaltiTrack(MultiChapter)変換時のバグを修正している。

また、筆者の主観ではあるが、いつものことのように、秘密裏に音響向上を図っているのだと思う。
聴感上は、やはり、輪郭がはっきりした音になってきていた。(空気感が少し出てきたかな?)

このソフトの売りは、なんといっても、幅広い拡張性にあるが、TAK、APEなどのLossless系のバグフィックスと、MusePackのデコーディングバグが修正された。MusePackに関しては、変換はできるが、再生ができないという、いかにもわかりやすいバグだったので、「うーんなんでだ」。と悩んだものだが、実は、バグだったというお粗末な結果であった訳だ。

本当か?って少し試してみたところ、MultiTrackなファイルでもしっかり再生できた。
MusePackといえば、現在はほとんど知られていないかもしれないが、m4aや、oggVorbis,WMAに並んで、MP3よりも高圧縮率で音質が良い形式のサウンドファイルなのだ。どちらかと言えば、OggVorbisあたりが、バランスがとれていて良いのだが、このMusePackの良いところは、さほどダイナミックレンジが縮小したような印象がなく、すっきりした良い音がする。VBRに特化したサウンドファイルなのだが、最近Matroskaコンテナーへの格納も可能になって来ている。

このように日々、進化するFoobarなのだが、多少玄人向けのソフトで拡張機能をインストールしてう行くと、ほぼ無敵のMusicPlayerとなり得る。
MultiTrackに関しては、他とのプレーヤとの互換性が無いので、Foobar一本で楽曲を管理する限りに於いては、ユニークな機能だと思う。また、Cue+FLACなとといった構成で管理しても、Foobar上から、Cueシートの編集ができてしまうので、通常のファイル形式のように、一曲単位の取り扱いができる。MultiTrackファイルに関しても、同様にインターナルCueシートへの変更内容の反映ができている。

MultiTrackファイル(インターナルCueシート+FLAC)などのようなファイルは、複数のトラックを1ファイルにまとめておき、後から、トラック単位で楽曲名が展開される形式で特に、ギャップレスCDなどの再生に威力を発揮してくれる。最近の情報では、ご存知のMusicBeeの最新版でも、このMultiTrackファイルの再生が可能になっていた。MusicBee1.2-Final以降かTAK互換性を考えるならば、MusicBee1.3.4258-beta以降の使用が好ましいと思う。

MusicBeeで再生可能なMultiTrackファイル

・FLAC    FreeLosslessAudio
・TTA    TrueAudio
・TAK    Tone’s losless Audio
・APE     Monkey’s Audio
・WavPack  WavPack Audio

いずれのファイルも可逆圧縮形式なので、ちょうど一枚のCDが1ファイルとして管理できるので重宝するのだが、自分が蓄積したファイルは、やはり、Cue+WAVもしくは、Cue+FLACのような管理が安全かもしれないが、双方のファイルを作っておいて、コンパクトにライブラリーを作るのも、悪くない選択ではないだろうか。
MusicBeeもここら辺のアナウンスを積極的にしないのは、MusicBeeのみでは、MultiTrackな楽曲ファイルを作る機能がついていない為だろう。
MusicBeeに関しては、もともと、インターナルCueシートに対応したコンテナーには、対応しても良いように思う。
現在、Matroskaコンテーナーの再生は不可能な少し中途半端な状態になっている。

話はそれたが、Foobar 1.1.8は、音質、機能ともに、充実してきている。
音楽管理ソフトとしては、横に並ぶものは、あまりないように思うが、いかんせん、使い方というか、まともに使えるようにするまでの手間がかかりすぎる。再生までは、概ねのフォーマットで可能なのだが、フォーマット変換に関しては、参考ページなどを見て、整備して行かねばならない。
決しておすすめというわけではないが、音に悩んだ時には、一度試してみると、良い意味でも悪い意味でも使えるソフトだと思っている。