AIMP3 RC2がリリースされた
良い音のAIMP3が、本格リリースの準備を実施しているようだ。
RCバージョンの改良で、心臓部でもある新たなサウンド・エンジンを実装するようなことは、通常はあまり考えられないのだが、何らかの動きがあるようで、AIMP3に実装されているResamplerの改良を織り込んだ格好になった。Foobar2000 1.1.10-Finalとは1日違いだから、開発そのものは別に動いているはずで、改良結果を見て、それぞれが模倣したものではないとは思うのだが、結果的にFoobar2000 1.1.10-Finalの音質変化は、実のところ、AIMP3 RC2の動きとよく似た方向性となった。
前回に引き続き、今回もFFT解析の結果の比較となるが、以下に、各々の波形を比較してみたので、参照していただきたい。
グラフ上、AIMP3 RC1とAIMP3 RC2の最高域部のリサンプリングや16000Hz~18000Hz周辺のリサンプル波形は、明らかな違いが見られた。
一方、Foobar2000 1.1.10-Finalには、見られない18000Hz~22000前後の高音増強部の音圧レベルを下げているのがわかると思う。今回の改良で、FFT解析上の変化は、両者は、前段の16000Hz~18000Hz周辺では、全く同一となった。
以下のスペクトルは、その周辺を拡大したもの。
※音源は、前回と同じである。
AIMP3 RC1までのスペクトル(空色)は、MusicBee(紫色)とよく似ているが、新しい実装でのスペクトルは、Foobar2000 1.1.10-Final(緑)とAIMP3 RC2(赤)は、ほぼ、完全に近い一致が見られた。
前回にも、記載したが、この部分の色つけは、楽器のディテールや、音場における空気感に関与すると考えられている部分である。また、それ以上の最高域部分は、音場のリアリティー(臨場感)に大きな影響を与え、ディジタル収録ならではの音を織り込むことが出来る部分である。しかし、各々の周波数が持つ倍音成分をそのまま単純にディジタル的に増強してしまうと、フランジが発生するため、簡単には行かないがこの成分だ。
したがって、16000Hz~18000Hzの周波数成分のリサンプリングアルゴリズムを変えるというのは、並大抵ではないが、今回、AIMP3 RC2では、この部分を積極的に変化させた格好になった。
これだけのことをした、AIMP3 RC2がどこまでの良さを残しつつ改良されたかといったところが、興味のある所だと思うが、筆者の聴感上RC1の音を残しつつ、耳障りな音を上手く軽減して、自然な音としているような印象である。
音の調整は、いまのところ、荒削りではあるものの、確実に音質が上がって来ている。
なるほど、Foobar2000 1.1.10-Finalの音質に対する疑問が少し消えたような気がしている。
Foobar20001.1.10-Finalには残念な結果となったが、やはり、いまのところ、AIMP3が更に音質を上げてしまったといったところだろうか。(逆に言えば、Foobar2000も音質的に、ある程度の市民権を得た。)一方、取り残されたのは、MusicBeeと言えそうなのだが、MusicBeeにも良いところはあるので、普段使いには、多機能で良いプレーヤーではある。
この月に入って、各所の急激なな音質変化は、微妙に不思議である。
AIMP3 RC2に関しては、ある程度の限界を打破した良いリリースになったのではなかろうか。
(程良くスピード感のある音に仕上がっている。少し、硬質な印象が今のところ有りそうだが。)
Finalリリースでは、ベストなチューニングをしてくると考えられるので、今後の動きには目が離せない存在である。
これで、大所のクリスマスバージョンは、大体揃ったことになるのだろうか。
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